ラグビーの試合終了時、実況アナウンサーは「ノーサイド」と言います。
このように日本では「ノーサイド」=「試合終了」という意味でも使用されてます。
ですが、これは正式なラグビー用語ではありません。
正しいラグビー用語で、試合終了の事は「フルタイム(Full Time)」となっています。
何故アナウンサーは「ノーサイド」と言うのか。
そもそも「ノーサイド」はどういう意味なのか、解説します。
コレが分かると、よりラグビーの面白さが分かりますよ。
ラグビー用語「ノーサイド」を解説
ノーサイドとは、ラグビーの試合終了そのものを意味しています。(ただし、日本だけ)
これを日本語に翻訳すると「チームなんて関係なし」です。
まずは語学的な面から解剖します。
「ノーサイド」を翻訳すると
「ノーサイド」を英語で書くと「No Side」です。
Sideの日本語訳は色々とありますが、「上側」の英訳「Up Side」の「Side」という意味ではありません。
「立場」や「派閥」「流派」「陣営」という意味が最も適していると言えます。
特にラグビーというスポーツであれば、陣営。
もっと分かりやすく言うと、チームの事を指します。
つまり「チームなんて関係なし」と翻訳できるのです。
・・・なぜラグビーの試合終了で、そんな事を言うのか。それはラグビーというスポーツの成り立ちから分かります。
ラグビーは紳士のスポーツ
ラグビーの発祥はイングランドで、中流~上流階級の子供が通う品位ある学校で盛んに行われてました。
しかしラグビーは非常に激しいスポーツで、ついカッとなりブチギレ寸前になってしまいそうになる場面もあります。
ですので「紳士的な精神を忘れてはいけない」という思いで、ラグビーは伝統的に紳士的なプレーや振る舞いをしましょうと決めました。
そのためなのか、ラグビーの試合後は両チームの選手やコーチ、審判や関係者が全員集まり、軽食を食べながら談笑する時間があります。
これを「アフター・マッチ・ファンクション」と言い、試合後に良かったところを互いに称え合います。
そんな精神が伝統的に続いているのです。
このことを「ノーサイドの精神」と言います。
ノーサイドの精神
2019年ラグビーワールドカップで日本がスコットランドに勝利した時の光景が、それこそノーサイドの精神だと言えます。
https://twitter.com/rugbyworldcupjp/status/1183367997106339841
日本の選手は通路で花道を作り、拍手でスコットランドの選手をねぎらいました。
それを受け、スコットランドの選手は日本の選手に花道のお返しをしました。
この互いを賞賛する姿勢こそが、ノーサイドの精神そのものだと言えますね。
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