日本ラグビーの課題とは?人気を継続させるには。

2019年のワールドカップで人気が爆発した日本ラグビー。

間違いなく一世を風靡し、その影響もあり現在ラグビー競技人口は増えています。

しかしながら一方で、日本においてラグビーはまだまだメジャースポーツとは言えない現実があります。野球やサッカーと比べると人気は劣るでしょう。

ラグビー協会や各トップチームは「ラグビーブーム」を一過性のものにさせまいと様々な改革や努力を講じています。

今回は日本ラグビーの課題について考えていきます!

 

■ラグビーブームについて

2015年のワールドカップで日本が南アフリカに勝利するという歴史的なジャイアントキリングを起こし、瞬間的に第一次ラグビーブームが生まれました。

当時は「五郎丸ポーズ」が流行し、テレビでも取り上げられたりと盛り上がりを見せました。

しかし、残念なことに気づけばそのブームは定着することなく過ぎ去ってしまいました。

2015年大会では残念ながら決勝トーナメントには駒を進めることができませんでしたが、2015年のワールドカップでの南アフリカ戦を含む3勝という結果は、ラグビーファンにとっては間違いなく歴史を塗り替え、これからの日本ラグビー界の未来を明るく照らすものでありました。

4年後、2019年。日本でのワールドカップの開催。

日本は予選リーグ全勝で史上初の準々決勝まで駒を進め、爆発的なラグビーブームを巻き起こし、結果的には大成功に終わりました。

準々決勝では南アフリカに敗れてしまったものの、強敵に対しても諦めずに立ち向かう姿勢と「ONE TEAM」というスピリッツは、日本中を熱狂させました。

予選では格上のアイルランドや、前回大会で敗れたスコットランドという名だたる強豪国に勝利し、日本ラグビーの強さを世界に見せつけました。

日本が戦った5試合に訪れたファンの数はなんと24万9750人。準々決勝の南アフリカ戦のテレビ視聴率は41.6%を記録しました。

 

■ニワカファン層を離してはいけない

2019年の驚くべきラグビー人気を下支えしたのは、間違いなく「ニワカ」と呼ばれるファン層です。

しかし、2019年のワールドカップをきっかけに「ニワカ」ファンとなった人たちは、2015年の五郎丸ブームに乗っかっていた人たちとは本質的に異なるものであると考えます。

2015年のワールドカップでクローズアップされたのは、五郎丸選手ばかりでした。

五郎丸選手個人の特徴的なルーティン、整ったルックスに人気が集まり、日本ラグビーそのものに対して人気が高まったかと言うと、そうではなかったように思います。

しかしながら、2019年のラグビーブームについては、日本ラグビーの「ONE TEAM」という考え方や闘いぶりがきっかけで火がついたものでした。

華のあるバックスのプレーヤーだけではなく、ポジションとしては地味なフォワード最前列の「笑わない男」稲垣選手や具選手にもスポットライトが当たり、日本ラグビー全体として人気が高まったものでした。

つまり、今回の「ニワカ」ファンはラグビーを表面上のものだけで捉えておらず、ラグビーの本質に魅了されたことがわかります。

日本ラグビーは、この「ニワカ」ファンを絶対に離してはいけないのです。

 

■課題と今後の取り組みについて

先述したとおり、日本ラグビーの課題はいかにして2019年のラグビー熱を継続させるか、「ニワカ」ファンを繋ぎ止めるかということです。

競技以外のところで、エンタメ性を持った企画を実行したり、SNSの爆発的な影響力を活かしたアピール活動を継続的に行っていくことが重要になると考えます。

特に「ニワカ」ファンには女性が多いことから、イケメン選手を前面に押し出した普及活動などのキャッチーな企画も効果があるものと思います。

また、2022年にラグビー国内最高峰のトップリーグは、「リーグONE」として生まれ変わりました。

「地域密着」を標榜し、各チームの名前は本拠地の地名を冠したものになりました。

プロ野球やサッカーJリーグのように地域を巻き込んで熱狂的な風を生み出すにはまだ時間がかかりそうですが、各地方自治体などと連携しながら、地元に愛されるチーム作り・ブランディングが重要になるでしょう。

最後に「リーグONE」のプロ化を実現させることも大きな課題であると考えます。

多くのラグビー選手は企業に所属し仕事をしながらラグビーをしており、ラグビーだけで食べることはできていません。

プロ化を実現し、子どもたちにとって夢のあるスポーツになれば、ますます競技人口も増えて人気も高まるのではないでしょうか。

まだまだ課題は沢山ありますが、2019年の盛り上がりを今後も続けていき、ラグビーがもっとメジャーなスポーツになれば嬉しいです。

今後もファンの力を合わせて日本ラグビーを盛り上げていきましょう!

 

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