「ラックの密集のごとき混沌!プレーオフ進出争いと降格争い!」
■プレーオフ進出争い
ラグビープロリーグ『リーグワン』が佳境に入った。
ディビジョン1は16節のうち14節を終え、残すところ2試合となった。
東京サンゴリアス、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、埼玉パナソニックワイルドナイツ。
余程の波乱がない限り、この3チームのプレーオフ進出は決まった。
問題は残りの一枠である。
横浜キャノンイーグルス、東芝ブレーブルーパス、トヨタヴェルブリッツ。
この3チームが残り一つの椅子をかけて戦う。(以下、ブレーブルーパス、イーグルス、ヴェルブリッツと省略)
順位は4位がブレーブルーパス(勝ち点44)、5位がイーグルス(勝ち点41)
6位がヴェルブリッツ(勝ち点41)である。
実質的にはイーグルスとブレーブルーパスの2チームに絞られたとみていい。ヴェルブリッツは残り2節で勝ち点41。
イーグルスと勝ち点こそ同じではあるが、プレーオフ進出は厳しいだろう。
残り2節とも、イーグルスは格下チームが相手である。
対するヴェルブリッツは2試合とも絶対落とせない状況下で、
最終節が東京サンゴリアス戦なのである。
今年のヴェルブリッツのパフォーマンスを見て、「東京サンゴリアスに勝てるか?」というと、端的に言って厳しい。
悔やまれるのはディビジョン1第12節、ブレーブルーパスとヴェルブリッツの直接対決。
それまでヴェルブリッツが5位。対するブレーブルーパスは6位。
ブレーブルーパスが勝ち点2差でヴェルブリッツを追いかける状況だった。
残り5試合というところで、プレーオフをかけて戦っているチーム同士が直接対決。
どちらも落とせない戦いであった。
前半は17-22。ブレーブルーパスがわずかにリードしての展開。
両者ともに譲らず、締まったゲームとなった。
試合が動き出したのは後半直後。ブレーブルーパスがゴール前ラインアウトからの
ドライビングモール。
見事に力技でねじ込んだ。コンバージョンキックも成功させて17-29と突き放す。
その後、キックで3点を追加し17-32とする。残り時間は25分。
「勝負あった。」と思った。
しかし、そこからのヴェルブリッツの反撃は素晴らしかった。
代表でも活躍する姫野選手を軸に連続トライを決め、31-32と一点差まで詰め寄った。
しかし、追撃もそこまで。
その後、立て続けにブレーブルーパスにトライを奪われ31-46となる。
終了間際にもトライを決められ、53-31でブレーブルーパスが勝利をおさめた。
順位は逆転し、ブレーブルーパスがプレイオフ進出に一歩前進。
反対にヴェルブリッツは一歩後退した試合だった。
それが尾を引き、現在の状況になっている。
残り2節を残し、ブレーブルーパスとイーグルスの争いとなった。
ブレーブルーパスは勝ち点44、イーグルスは勝ち点41
ブレーブルーパスが先行しているが、どちらに勝利の女神が微笑むかはわからない。
残り2節とも、イーグルスは格下のチームが対戦相手だ。
順当にいくと、勝ち点8を追加する。
対するブレーブルーパス。次節は東京サンゴリアス戦。
前述したように、今シーズンのサンゴリアスは強い。
オールブラックスのスーパースター、ダミアンマッケンジーを中心に
強くて華麗な攻撃を展開する。昨年のボーデン・バレットに続き、
オールブラックスのスーパースターを招聘している。
ヘッドコーチがニュージーランド人のミルトンヘイグ氏という事もあり、
サンゴリアスはニュージーランド式のラグビーを定着させている。
仮に負けたとしても、ブレーブルーパスは7点差以内におさめたい。
そのようになれば、ボーナスポイント1を獲得できるからだ。
最終節で格下相手に勝つと、勝ち点4を獲得できる。2試合で都合5点。
勝ち点49。仮に2試合ともイーグルスが勝っても勝ち点49で並ぶ。
その場合、得失点差で順位が決まる。ブレーブルーパスが得失点差では優っている。
という事はブレーブルーパス有利である。
イーグルスは2節とも勝つことが絶対条件。
どちらが最後の椅子をつかむか見ものである。
いずれにしてもファンにはたまらない展開である
■降格争いサバイバル
リーグが佳境に入ると優勝争いはもちろんだが、もう一つ関心ごとがある。
降格争いである。それはサッカーもラグビーも同じである。
降格圏内にいるチームは3チーム。ÑTTコミュニケーションズシャイニングアークス
、ÑÈⅭグリーンロケッツ、リコーブラックラムズ。(以下、シャイニングアークス、
グリーンロケッツ、ブラックラムズと省略)
この3チームである。
最初にふるいにかけられるのは、グリーンロケッツとシャイニングアークスである。
筆者が本記事を執筆中に答えは出た。
ディビジョン1第14節。
降格争いをしているこの2チームが対戦。負けたチームがサバイバルレースから脱落する。ゆえに、両者絶対に負けられない。
結果は34-38で、シャイニングアークスがグリーンロケッツを破った。
シャイニングアークスは残留争いに残り、反対にグリーンロケッツは
ディビジョン2のチームとの入れ替え戦に回る。
降格争いはブラックラムズとシャイニングアークス、この2チームに絞られた。
最終節まで、この争いはもつれるに違いない。
勝ち点18のシャイニングアークスを勝ち点16のブラックラムズが追う。
最終節で、ブラックラムズは格下のÑTTドコモレッドハリケーンズと戦う。
この結果次第で順位が入れ替わる。
いずれにしても、降格争いもファンにはたまらない展開になってきた。