オールブラックス「ハカ」「マオリ族」「シルバーファーン」とは??

ラグビーニュージーランド代表の「オールブラックス」と聞くと、2019年に開催されたラグビーWC日本大会で有名になった「ハカ」を思い出す人は少なくないだろう。
ここでは「ハカ」で有名になったオールブラックスについて説明する。

※アイキャッチ画像出典:Ⓒ Getty Images

オールブラックスのスター選手(引退した選手)

2019年は「ハカ」ばかりがフォーカスされていたが、
オールブラックスには現役の選手から引退した選手まで数多くのスター選手がいる。
ダン・カーターリッチー・マコウだ。
この二人はオールブラックスを語るうえでは外せない選手だ。

ダン・カーター

ダン・カーターは基礎スキルが高く、刻々と状況が変わる場面において
柔軟な対応ができる選手だった。
精度の高いキックはコンバージョンキックはもちろんのこと、プレイ中のタッチキックにも定評があった。
神戸製鋼コベルコスティーラーズに所属していたこともあって、日本での人気も高い。

リッチー・マコウ

リッチー・マコウはオールブラックス史上最高のキャプテンである。
彼は類まれなるキャプテンシーを持っていた。
プレーに派手さはないものの安定感があり、チームのために黒子役に徹する縁の下の力持ちだった。

オールブラックスのスター選手(現役選手)

現役選手ではアーロン・スミスボーデン・バレットは外せない。

アーロン・スミス

世界最高のスクラムハーフと評されるアーロン・スミス
目にも止まらぬ速さの球出しは「世界最高のスクラムハーフ」と言わしめるゆえんだ。

ボーデン・バレット

ボーデン・バレットは世界最高の現役選手と評される。
キックとパスでゲームに貢献する事はもちろんの事、ステップやスピードも武器で
隙があれば相手ディフェンスを切り裂き、自らトライを取りにいく万能型選手。
常に冷静で判断力に優れている。

ジョナ・ロムー

1995年大会と1999年大会で大活躍したジョナ ・ロムー。
現役選手では新鋭のセブ・リース。代表キャップは少ないものの日本大会では
才能の片りんを見せつけた。強さと圧倒的なスピードを見せつけた。
ウィングとしては申し分ない。
怪我なく順当にいけば次の主役の一人である。
個人的な意見ではあるが、前述した「ジョナ・ ロムーを彷彿させる」と筆者は思っている。
サントリーサンゴリアスでプレイするダミアンマッケンジーも良い。
スタンドオフのポジション争いをするリッチー・モウンガも忘れてはならない。
他にも多くの素晴らしい選手を引退した選手も含めて輩出したオールブラックス。
これからも素晴らしい選手を輩出するだろう。

ハカとマオリ族

 

冒頭で触れたが、オールブラックスを語る時に「ハカ」は絶対に外せない要素である。
試合前に行われる「ハカ」はこれから試合に出場する自分達を鼓舞するのはもちろん。
しかし、別の意味もある。戦う相手に対し「対戦してくれてありがとう!」
といった敬意も含まれているのだ。

ハカはもともと先住民族の「マオリ族」の伝統的な踊りである。
儀式や戦闘に臨む際に披露するものである。
部族の強さと結束を高める誇り高き儀式であり、マオリ族のアイデンティと言っても過言ではない。
「ハカ」ばかりが取り上げられているが、試合前に「ハカ」のような踊りを
披露するのはオールブラックスに限った事ではない。

「ハカ」はウォークライと呼ばれる舞踊の一つだ。
他にもトンガ代表のシピタウ、サモア代表のシヴァタウ、フィジー代表のシビなどがある。
オセアニア地域の原住民が戦いの際に用いていたウォ―クライ。
ラグビーの試合前に、いつからかこれが披露されるようになったのだ。
試合前に「ハカ」を踊ることはオールブラックス引いてはマオリ族としての誇りなのである。

シルバーファーンとマオリ族

オールブラックスを語る時、「ハカ」以外にも外せないものがある。
オールブラックスのユニフォームに「葉っぱのロゴマーク」がついている。
「この葉っぱはなんだろう?」と思ったことはないだろうか?
この葉っぱは「シルバーファーン」と呼ばれるシダ科の植物である。

ニュージーランドはシダ植物の宝庫で、「シルバーファーン」は樹木ほどの大きさに成長する。
このシルバーファーンはオールブラックスだけでなく、ニュージーランドの国章にも使われている。銀白色の葉は神秘的で、マオリ族の信仰の対象である。

有名な逸話もある。
「シルバーファーン」という名前の由来は、葉を裏返すと緑ではなく銀色をしているからである。
夜にこの裏の部分が月光を浴びると光るのだ。
「なんて神秘的だろうか?」

これを部族間の戦闘において、かつてのマオリ族(先住民族)は巧みに利用した。
部族間の戦闘が夜間に行われる際、マオリ族は仲間同士で連絡を取り合う際に松明やかけ声を使うことをしなかった。敵に場所を悟られてしまうからだ。
そこで、彼らが利用したのが「シルバーファーン」なのである。

葉の裏側が月光を反射する特性を利用したのだ。
地面に置くと、月光に反射する天然の矢印となる。
そのようにして自分の向かった先を仲間に示すことで、敵に気付かれることなく敵陣に近づき奇襲をしかけることができたのだ。

そのように部族の戦いの象徴であった「シルバーファーン」。
オールブラックスのエンブレムになったのは、体を張って前進するラガーマンと戦士
この二つが似ていたからだろう。どちらも仲間とともに誇りを掛けて戦う姿は同じである。
この関係性は日本の桜と武士に似ている。
「シルバーファーン」も桜もそれぞれの民族の精神性を表すものに違いない。

オールブラックスは単に代表チームという事ではなく、マオリ族ひいては
ニュージーランドの精神を色濃く反映した誇りある集団なのである。
その魅力がラグビーファンのみならず世界中で愛されるゆえんなのかもしれない。

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