ラグビー日本代表と社会人リーグの格差に迫る!!

2015年南アフリカワールドカップ、終了間際のスクラムからの感動的な逆転劇。
2019年自国開催ワールドカップ、予選グループにおいて、当時ヨーロッパ最強のアイルランドを撃破した大金星。その勢いのまま初のベスト8進出。
この10年、ラグビー日本代表の躍進はめざましい。
日本代表の活躍。ラグビー人気を鑑みれば、国内リーグも盛り上がっているに違いない。
そのように思うだろうが現実は違う。
ここでは筆者が実際にスタジアムまで足を運び、感じたことを交えながら
ラグビー界の現状に迫っていきたい。

ラグビー界の現状

1,日本代表と社会人リーグ『盛り上がり方の違い』

■日本代表

2021年10月23日、大分県昭和電工スタジアムにおいて
日本代表(ブレーブブロッサム)とオーストラリア代表(ワラビーズ)が
相まみえた。
コロナ禍のため、海外から代表チームを招待してのテストマッチは難しかった。
ゆえに、久しぶりの国内テストマッチという事で会場は大変盛り上がった。
観客動員数も制限はしているものの、2万人近く来場し、会場は大わらわであった。
コロナ禍で水は差されたものの、2019年のワールドカップから継続して日本代表
の根強い人気を感じた。

■社会人リーグ

対する「社会人リーグは?」というと、端的に言うと「熱気を感じない。」
少し時を遡る。2016年9月であった。
猛暑日が連日続いた。秋の気配など、まだ感じられない時期だった。
訪れた福岡のレベルファイブスタジアム(当時の名称)も、うだるような暑さであったことを覚えている。その日は2試合が組まれていた。

1試合目は宗像サニックスブルース。
2試合目はコカ・コーラレッドスパークス
九州の社会人ラグビーをけん引してきた両者が試合を行うのだ。
両者とも福岡を拠点とするチームである。
それゆえ、観客も多いだろうと予想した。
しかし杞憂であった。駐車場までの道のりも混雑はなく、チケットを提示する際も入場ゲートはガラガラであった。
正直肩透かしだった。代表の話題はニュースやスポーツ雑誌でも広く取り上げられている。「本当に同じラグビーの試合なのか?」と思ったことを鮮明に覚えている。

2,ラグビーチームを運営する企業の疲弊

スタジアムに足を運んで思ったのは、観客の数が少ないという事だ。
ラグビー人気を考慮すれば、もっと多くの観客が入っても不思議ではない。
筆者が観戦した試合を見る限り、常に「「3000人入っているのかどうか?」の
動員数であった。それならばリーグ全体の「年間平均観客動員数は?」
南アフリカワールドカップから自国開催ワールドカップの4年間で、
およそ平均5000人弱。これでも増えたほうである。
しかし、サッカーJ1リーグの年間平均観客動員数3分の1にしか満たない
これではやっていけるはずがない。。。

2021年を以ってコカ・コーラレッドスパークスは廃部。
2022年を以って宗像サニックスブルースも活動を休止。
九州のラグビー界をけん引してきた両者が相次いで事実上の消滅。
理由はウクライナ問題など、世界情勢の悪化による物価上昇、それに伴う本業の収益悪化。ラグビーをやっている場合ではないという事だ。

総括

これまで書いてきた内容からわかるだろう。

いかにラグビーが一部の理解ある起業に支えられてきたことが。

そしてそれが限界にきていることも。
筆者が生きてきた36年だけでも数多くの災害、経済危機があった。
そのような厳しい時期でも、前述したサニックスやコカ・コーラは継続して
ラグビーを支援してきた。しかし限界がきたのだ
ラグビー然り、1つの企業や組織が丸抱えのスポーツはもう繫栄しない。

今後のラグビー会の変革に期待したい。

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