トレーニングを始めたが、どのくらいの頻度でやったら効果的なの?1度にやる回数はどれくらいが良いの?
初心者は早い段階でこのような疑問を持つと思います。
「筋トレを30回、2日に1回。1日3セットやればOK」というような明確な回数は言えません。
なぜかというと、人それぞれ筋肉の状態が違いますし、筋トレの目的も違うからです。
筋トレを行う最適な頻度【一般論】
一般論として筋トレは毎日やる必要はありません。
なぜかというと、筋肉痛が起こっている時に、痛い部分を鍛えても意味がないからです。
- 筋トレをする
- 筋肉痛が起こる
- 筋繊維がより強くなる
- 筋トレをする
- 筋肉痛にする
こうやって筋肉が成長します。筋肉の回復中に筋トレをすると、2の段階のままなので、筋トレ中に同じ場所を刺激しても無駄になるのです。
毎日するなら、筋トレする部分を変えましょう。
例えば腕をやった翌日は、太ももや腹筋が良いですよ。胸筋だと近すぎて、腕に筋肉痛があると正しい動きができない事もあります。
筋肉が回復するまでの時間
部位やトレーニングの回数によって違いますが、平均で2日~2日半かかると言われています。
なので同じ場所のトレーニングの頻度は1週間に2~3回がベストですね。
参考:【森永製菓】プロテイン公式サイト
ちなみに、筋肉が小さい部分は回復までの時間が短くて24時間ほど。筋肉が大きい背中の下部や太ももは4日くらいかかると言われています。
「筋肉痛にならない=意味がない」という事ではない
筋肉痛にならなかったから、トレーニングの時間が無駄になった。そういう事にはなりません。
- トレーニングしたという事実は変わらない
- 筋肉への追い込みが足りてなかっただけ
- もう少し負荷や回数を増やせばいい
このように考えて、同じ部分の筋トレをもう1度やりましょう。
筋肉痛がなかなか治らない時
トレーニングをやり過ぎると、筋肉痛が全然治りません。3~4日以上痛みを感じているなら、オーバートレーニングだと思ってください。
そんな時は次回からトレーニングの強度や1度にする回数を減らす事。
度が過ぎるトレーニングを行うと、大ケガの原因になって非常に危険です。
脱臼や肉離れ。ダンベルを自分の体に落としてしまって骨折してしまうなども起こり得ますのでやり過ぎ注意です。
トレーニングの頻度に関する研究
トレーニングの頻度はどのくらいが最適か、専門家の研究結果があります。
「日常的に筋トレを行ってない人は、1週間に1回の筋トレが効果的」
野坂 和則, 坂本 啓, 玉木 伸和;上腕屈筋群の伸張性レジスタンストレーニングに関する基礎的研究(2) : トレーニングの頻度について,日本体育学会 第46回(1995)
一方で、別の報告書ではこんな結論も出ました。
「筋肉の回復時間を考えれば、トレーニング頻度は1週間に2~3回が適切」
尾縣 貢,木越 清信,遠藤 俊典,森 健一;高強度ジャンプエクササイズ後の回復過程: 筋肉痛とパフォーマンスとの関連に焦点を当てて, 体力科学 第64巻 第1号 117-124(2015)
このように、始めたては1週間に1回で良いよ、と言ってる方も居れば
いやいや1週間に2~3回はトレーニングをした方が良いよ、と言ってる方もいらっしゃいます。
これだけでは結論がでないので、次のページで別の角度から適切なトレーニングの頻度を導きます。
最適なトレーニングの頻度がわかる「RM法」
RM法は、トレーニングの強度と回数からどんなトレーニング効果が得られるかを表にまとめたものです。
筋トレの目的別に回数と強度を合わせる事で、あなたにピッタリなトレーニング回数が明確に分かるように出来ています。
正確にはもっと違う使い方をしますが、今回は省きます。
RM法の表
RM(最大反復回数) | 期待できる効果 |
---|---|
1~3 | 集中力・筋力 |
4 | 集中力・筋力・筋肥大 |
5~12 | 筋肥大・筋力 |
12~15 | 筋肥大・筋力・筋持久力 |
15~ | 筋持久力 |
参考:公益財団法人高松市スポーツ協会
筋肉を大きくしたい人はRM8~10がもっとも効率が良いです。
逆に筋トレで手足を太くしたくない人は、RM20以上にしましょう。スラリとした体になりますよ。
参考:Be-fit light24:筋トレの最適な負荷と回数の設定方法
RM(最大反復回数)とは
これは1種類の筋トレを限界までやった時の回数です。
RMは、このようにして決まります。
(例)ダンベルの重さ | 5kg | 15kg |
---|---|---|
反復回数 | 22回目が上がらない | 8回目が上がらない |
RM | RM21 | RM7 |
ダンベルを使っていれば、重さを変える事でRMを調整できるのですが、自重トレーニングだと負担を上げるのは難しいですよね。
なので自重トレーニングで、どのようにしたら強度を上げられるのか次でお話します。
自重トレーニングで強度を上げる方法
自重トレーニングで強度を上げる方法は3つあります。
- セット数を増やす
- 動作のスピードを遅くする
- 筋肉に負荷をかけている時に静止する
1セット10回のトレーニングを、例えば3セットから5セットに増やすことで負荷をあげる事ができます。
もしくは動作のスピードを遅くしたり、姿勢のキープをすれば1動作ごとの負荷があがりますよ。
ですが、これらの方法にはデメリットが2つあって、負荷の調整が難しい事とトレーニングの時間が長くなってしまう事です。
時間がかかるのは仕方がないとして、負担は極端に上げないよう、探りながら自重トレーニングをしてみてくださいね。
セット間のインターバルはどれくらいが最適?
インターバルの時間 | |
高負荷トレーニング | 3分 |
通常の筋トレ | 2分 |
代謝のアップが目的 | 1分半以下 |
これはアメリカの研究論文を根拠にしています。
参考:BIZENTO:筋トレの効果を最大化するにはどれくらいインターバルを取るべき?
高負荷トレーニングというのは、ベンチプレスやオーバーヘッドプレスといった道具を使うなどの激しいトレーニングです。
自重トレーニングや、負荷が小さいトレーニングなら2分程度。
いわゆる「燃やす」感じでトレーニングをするなら1分半以下と短めにしてみてください。
RMは休憩なしの回数
「1セット10回のトレーニングを3回って30回じゃないの?」
このように思うかもしれませんが、30回1セットと10回1セットは意味が違います。
休憩を挟まず反復運動ができる回数の事をRMと言うので、総回数をRMとはしません。
複数セットをする理由
特にトレーニング初心者は正しく筋肉に負担をかける事が難しいので、セット数を増やして負担をかけた方が効果的です。
筋肉がムキムキな人も3セット以上はしてますよ。
なぜ複数セットをしないといけないのかというと、1セットだけだと鍛えたい筋肉が全然使えてない事もあるからです。
セット数を増やすと、使われてなかった筋肉も動き始め、より効率的に筋肉を追い込めます。
参考:VOKKA-【筋トレ】ベストな回数とセット数とは?
インターバルを挟むと起こる効果
トレーニングにインターバルを入れると、こんな効果があります。
- 乳酸が出る
- 成長ホルモンが出てくる
乳酸は疲労の原因で、ただのゴミかと思われるでしょうが、疲労を防ぐ物質だと考え直されています。
他に血管の修復や細胞の修復といった効果がある事が分かっています。
参考:健康長寿ネット:乳酸とは
成長ホルモンにはこんな効果があります。
- 心臓病リスクの減少
- 肥満や糖尿病の予防
- 筋肉の肥大や骨の保護
参考:Pfizer Japan:成長ホルモン
成長ホルモンはインターバルを1分程度にすると最大に。
逆にインターバルが長くなると、成長ホルモンの分泌量が低下してしまいます。
その代わりに適度な休憩が挟まる事で、筋トレの効果が上がります。
両方の良い所を取りたいなら、インターバルの時間は3分程度までにしましょう。
参考:DNS ZONE-最適なインターバルについて
まとめると
- 筋トレは3セット以上した方が効果的
- インターバルの時間は内容や目的によって変えよう
- インターバルを挟むと、他の面でもメリットがある
という事です。
きついトレーニングになるかと思いますが、少しずつで良いので頑張ってみましょう。
【まとめ】あなたに最適なトレーニング頻度
トレーニングの頻度は一般的には1週間に2~3回程度が良いと考えられます。
始めたばかりの人は1週間に1回くらいでも良いと思いますよ。最初はキツすぎない程度のトレーニングから始めてみましょう。
トレーニングの目的別、回数の目安は以下を参考にしてみてください。
目的 | 反復回数 | インターバル |
---|---|---|
ダイエット | 18回以上 | 1分半以下 |
両方の良い所取り | 12~15回くらい | 2~3分 |
筋肉を太くしたい | 10回以内 | 3分前後 |
またトレーニング後の栄養補給は筋力を付けていく上で非常に重要になりますので下記の記事も合わせてお読み下さい。