身障者におすすめのトレーニング方法とトレーニングの重要性を解説します

自分では動かせない部位を鍛える重要性

「麻痺があるから鍛えられない。」と思うかもしれない。
確かに身障者の筋トレや運動は健常者よりもハードルは高い。

しかし、「まったく何もできないか?」と言われれば、決してそのようなことでもない。
下半身は健常者と比較した時、自分では動かせない部位が多いだろう。

しかし、「動かせないから」と言って、放置しておくのは絶対に良くない。
動かない体の部分も血管や筋肉でつながっているのだ。

当然、老廃物はたまるのでそれを除去するために血液などを必要とする。
健常者は立ったり歩いたりすることで、血流を体全体にいきわたらせる。

そのように血液を循環させることで、体に栄養を送ったり老廃物を除去したりするのだ。
立ったり歩いたりできない人間は、下半身への血流が健常者よりも少なくなる。

 

身体障害者のトレーニング方法
Disabled woman on wheelchair playing boccia on asphalt court.

筆者は電気治療を取り入れることをすすめる。
その中でも低周波治療をすすめる。
人間の神経や筋肉には、低周波のパルス電流に反応する性質がある。

低周波治療器はこれを利用した医療機器である。

体の表面につけた電極を通して皮膚の表面から通電する。
低周波の電流が流れると、電極付近の筋肉が収縮する。
電流が止まると筋肉は弛緩し、弛緩した時に血液が送り込まれるのだ。
この一連の動きを筋肉が繰り返すことで血行が促進される。

そのような刺激を筋肉に入れることは筋肉を鍛えられてメリットがある。
しかし、注意もしてほしい。電気治療にはデメリットもある。
心疾患を持っている人には健康被害をもたらす場合がある。

できるなら、電気治療を行う上で理学療法士などのセラピストに相談してほしい。
相談するセラピストがいない場合は、購入した製品の説明書きをしっかり読むこと。
そして、正しい使用法を遵守して自己責任で行うこと。

 

 

残存機能を鍛える重要性

障害者がスポーツを行う上で残された体の機能、いわゆる「残存機能」を
高めることは重要である。
例えば100メートルを車いすでこぐとする。
1回のストロークで3メートル進む選手と1回のストロークで4メートル進む2人の選手がいるとする。
前者は100メートル進むのにストロークが33回必要だ。反対に後者は25回のストロークで100メートル進む。

「どちらが効率の良いパフォーマンスだろうか?」

100メートルを進む際、前者は後者よりも8回も余計にこがなければならない。
一目瞭然である。
因みにこの二人の障害レベルは同じとする。
ということは、後者は確実に残存機能を高めているのである。

障害レベルが同じでも「残存機能を高めた人間」と「そうではない人間」とでは
明らかな差が出る。
具体的に「残存機能を高める」とは?
残存機能というと、「動かせる部分をとにかく鍛えて筋肉をつける。」という
イメージであろう。もちろんそれも重要だ。

しかし、自分が通っているジムでは骨盤と肩甲骨の動きを徹底的に意識させられる。
いわゆる体幹であろう。
車いすに乗っていると骨盤が寝て、肩は前に出がちになる。
いわゆる猫背になってしまうのだ。

車いすを動かすには、「ハンドリム」というタイヤに接続している輪を腕で押して回転させる動作が必要だ。
前述したような「高いパフォーマンス」で車いすをこぎたい。
そのようにするには、ハンドリムを回転させる時に腕を後方に可能な限り伸ばす。
そして、ハンドリムの後方をつかみ、ハンドリムを回転させる。

人間の人体の構造学において、猫背で両肩が前に入っている状態では腕が後ろに回らず
「ちょこちょここぐ」という感じになってしまう。

体幹を鍛えていない場合、前述した「ちょこちょここぐ」というような感じになってしまうのだ。
腕を大きく後ろに回してダイナミックにこぐには、どのようにすればよいか?

そのためには骨盤を立てて肩甲骨が寄った姿勢をまずは作らないといけない。
「単純にに筋肉をつければよい!」という事でもないのだ。
身障者でも健常者でも身体的パフォーマンスを高めるには体幹が重要であることは変わらない。

 

残念ながら日本では、前述したようなトレーニングの重要性はまだ認識されていない。
障害者スポーツのレベルをさらに上げるにはこのような認識も不可欠であろう。

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