アイマスクをつける??ブラインドサッカーのルールや競技の詳細を徹底解説

この記事を執筆するまで、筆者は視覚障害者がおこなうサッカーを「ブラインドサッカー」と思っていました。

同じ認識の方は多いのではないでしょうか。

しかし、それは違うようです。

  • ブラインドサッカー:全盲サッカー
  • ロービジョンフットサル:弱視サッカー

このように分けられています。

ですが、ブラインドサッカーの選手が全員、全盲というわけではありません。

じゃぁ完全に見えない人と、そうでない人が混ざってどうやってサッカーをするのか。

そもそも見えずにサッカーをどうプレイするのか、そのあたりの解説や魅力をご紹介していきます。

ブラインドサッカーとは?特徴を解説

ブラインドサッカーとは?特徴を解説

引用:日本ブラインドサッカー協会

ブラインドサッカーは完全に視覚を遮断してプレーする、パラスポーツです。

全盲の人が参加できるようルールを作ってますが、弱視の人でもプレイに参加できます。

この差を埋めるために、ブラインドサッカーは全員目を覆うアイマスクを装着します。

ブラインドサッカーの選手はアイマスクを着用

ブラインドサッカーとは視覚障害のB1クラスがプレイするサッカーです。

B1というのは、もっとも視力が弱くて視力0.0025未満のことを言います。

参考:クラス分けについて

ですので、全く見えない人も居れば光を感じられる人も居て、これでは不公平なのでアイマスクを着用します。

ですが、全員がアイマスクを着用するわけではありません。

キーパーだけは目が見えてます。その代わり動ける範囲がとても狭いです。

ブラインドサッカー用のボール

ブラインドサッカーのボールは、このように振ると音が鳴ります。

この音を頼りにプレーヤーはボールを追いかけるのです。

ブラインドサッカー用のボール

引用:日本ブラインドサッカー協会

ボールの中には金属製の粒が入っていて、転がる事でこすれて音が鳴るようになってます。

ちなみにボールのサイズはフットサル用のボールと同じで直径20cmです。

通常のサッカーボールは直径22cmなので、少し小さめですね。

スローインがない

ブラインドサッカーにはコートの横に100cmほどの高さの壁があります。

ですので、横からボールが外に出る事がないので、スローインがありません。

壁はプレーヤーにとっては自分の位置を把握するためのものでもあり、ボールをバウンドさせて狭い所を突破する戦略にも使用されます。

監督やコーラー(ガイド)が声で指示をする

監督やコーラー(ガイド)が声で指示をする

引用:日本ブラインドサッカー協会

ブラインドサッカーはほぼ耳頼りのスポーツです。

ボールには音が鳴る工夫がされてますが、ゴールに向かって蹴る時どうするのかというと

相手ゴールの後ろにコーラー(ガイド)と言われる人が立っているのです。

その人がシュートのタイミングや角度をプレーヤーに教えて、まるで見えているかのようなプレーを実現しています。

フィールドの中盤は監督が声で指示を。

味方ゴールに近い所では、キーパーが声で指示を出しています。

接触プレーのための特殊ルール

ブラインドサッカーは互いに見えないので、接触プレーがとても危険です。

そのためにボールを取りに行く人は「ボイ!」とコールする事が決まってます。

このコールをせずにボールを取りに行ったら反則を取られます。

ちなみにコールの意味はスペイン語で「行く」という意味です。

ブラインドサッカーの観客マナー

このようにブラインドサッカーでは、プレーに必要な音があっちこっちから飛び交っています。

ですので試合を見る時は静かにしてなくてはいけません。

声の内容もそうですが、音の出る方向も情報の1つですので、試合中は静かに見てましょう。

歓声を上げて良い時はシュートが決まった時や、プレーが止まった時です。

つい見ている側はプレー中でも声を上げたくなる場面がありますが、ゴールが決まるまでは静かに観ましょう。

ブラインドサッカーの国際ランク

2023年1月時点の日本のブラインドサッカー男子は世界ランク4位です。

  1. Argentina
  2. Brazil
  3. Spain
  4. Japan
  5. Thailand
  6. China
  7. Morocco
  8. France
  9. Turkey
  10. Mexico

参考:IBSA World ranking

女子ブラインドサッカーは同率1位で、ロービジョンフットサル男子は7位です。

男子ブラインドサッカーは2019年1月発表では13位でしたので、かなりランキングを上げました。

より注目される競技になりそうです。

ブラインドサッカーのルール・ファウル

ブラインドサッカーのルール・ファウル

引用:日本ブラインドサッカー協会

次はブラインドサッカーのルールやファウルを紹介します。

通常のサッカーとどう違うのか、見てみましょう。

ブラインドサッカーの基本ルール

ブラインドサッカーのフィールドはフットサルとほぼ同じ、40m×20mのサイズで行います。

人数は5人で、うち1人がキーパーです。

その5人とは別に、敵ゴール裏にガイドも居るので実質6人。監督も入れると7人で試合を行ってます。

当然ですが接触プレーもあるので、危険な接触プレーはファウルを取られます。

2種類あるPK

ブラインドサッカーでは通常のサッカーと同じでPKがあります。

ペナルティエリアでファウルをした場合の通常のPKと、チーム累積6回のファウルで行われるPKの2種類があるのです。

通常のPKではゴールから6mの所から蹴りますが、累積ファウルPKは8mの場所から蹴ることになってます。

PKはそれまでのプレーと違い、ガイドがゴールポストを叩いて位置をプレーヤーに知らせます。

ピンと張りつめた空気が漂うとても緊張感のあるシーンですので、ぜひ現地で体感してみてください。

オフサイドはない

サッカーと違うのはオフサイドがないこと。これはフットサルと同じですね。

ですので、待ち伏せ行為ができます。

他のファウルはだいたい同じで、遅延行為も認められてません。

参考:ブラインドサッカー規定(PDF)

ブラインドサッカーの魅力とは

ブラインドサッカーの魅力とは

引用:日本ブラインドサッカー協会

ブラインドサッカーは見ている人の価値観をひっくり返してくれます。

知れば知るほど。見れば見るほど、その魅力に引き込まれるでしょう。

我々がブラインドサッカーをやるとどうなる

普段から見えている我々がアイマスクを付けて、耳と他の感覚を頼りにサッカーができるでしょうか。

しかもボールを蹴るだけではありません。

走り回るし、ドリブルもするし、ゴールに向かって蹴ります。

それは目が見えてない人に対する我々の想像を、はるかに超えるプレーだと思います。

ブラインドサッカーを見ると、私たちの固定概念や価値観が破壊されますよ。これが魅力の1つだと言えます。

まるで見えているかのごときプレーの質

筆者の知人に「ブラインドサッカー」を観戦した人がいて、「本当に見えてないの?とてもそのようには思えないスピード感だった」

そのように話していたのを思い出しました。

確かに、トップ選手たちのスムーズな動きは目を見張るものがあります。

選手たちはスムーズなプレーの要因を次のように話しています。

「実は、音はあくまで情報の一つに過ぎないんです」

選手は単に音を追うのではなく、音や声を聞き、頭の中でフィールドの様子をイメージしながらプレーをしているのです。

もしかすると、選手の頭の中には立体的にフィールドの様子が浮かんでいるのかもしれません。

そして、そのイマジネーションから生まれる絶妙な連携プレーは芸術といっても過言ではありません。

サッカー界のスーパースター、イニエスタも称賛

東京パラリンピック開催前の2019年、開催の機運を高める一環でアンドレス・イニエスタ(スペイン)がブラインドサッカーを体験する企画がありました。

FCバルセロナにも在籍していたスペインのスター選手で、現在はJリーグのヴィッセル神戸に所属しています。

イニエスタがブラインドサッカーを体験した際、日本代表のエース川村怜(アクサ生命保険)と共演し、その奥深さと魅力を称賛していました。

見えない世界での「超人的パフォーマンス」

この項は自分自身の体験も踏まえて思ったことを書きます。

「見えない」という事は想像以上に恐ろしいことです。

個人的なことですが、車いすの筆者は夜道を帰らなければならないことがまれにあります。

日常的に通っている道も昼と夜ではまったく違い、特に横断歩道を渡る時の最後の縁石には気をつけています。

外が明るい昼間は簡単に乗り上げられますが、夜ではそのようにはいきません。

暗くて見えないと「どれくらいの角度だったか?」

普段は気にしないことも気にしなければなりません。

油断していると、バランスを崩し転倒するからです。

この例えが正しいかは分かりませんが、常に見えない環境でブラインドサッカーの選手はプレーしているわけです。

しかも、単にプレーをしているだけではありません。

プレーの質はとても高く超人的です。

これがどれほど素晴らしいことか・・・観戦する機会があれば、是非とも足を運んでいただきたいです。

実際の試合のハイライト↓

ブラインドサッカーまとめ

筆者は「スポまと」さんから多くの障害者スポーツ記事執筆の依頼を頂きました。

執筆していて毎回思う事があります。

「ハンディキャップがあるのにここまでやれるの?」

今回のブラインドサッカーも然り。

人間の可能性を再認識させていただいて誠に感謝です。

 

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