ブラインドサッカーとは??魅力や競技の詳細を徹底解説

この記事を執筆するまで、筆者は視覚障害者がおこなうサッカーを「ブラインドサッカー」と思っていました。

同じ認識の方は多いのではないでしょうか。

しかし、それは違うようです。

「ブラインドサッカー」は全盲の人間がおこなうサッカーです。
ここでは、その「ブラインドサッカー」の魅力に迫っていきます。

ブラインドサッカーとロービジョンフットサル

視覚障害者がおこなうサッカーには2種類のカテゴリーがあります。

それは「ブラインドサッカー」「ロービジョンフットサル」という2種類のカテゴリーです。

多くの人が視覚障害のある人がおこなうサッカーを「ブラインドサッカー」と思っているでしょう。
それは誤解です。

「ブラインドサッカー」は全盲の視覚障害者がおこなうサッカーのみを示します。

弱視の視覚障害者のカテゴリーは「ロービジョンフットサル」という名称です。

ブラインドサッカーの特徴

音が出る特殊なボール

ブラインドサッカーのボールは転がる際、「シャカシャカ」と音が鳴ります。
全盲の選手たちはその音を手掛かりにして、ボールの位置や転がり方を把握します。

「あの音はどのような仕組みで鳴るのだろうか?」

そのように思った人は多いのではないでしょうか。

ブラインドサッカーのボールは、金属のプレートがボールの内側に沿って付いています。

また、ボールの中には金属の粒が入っています。
それがプレートに接触することによって「シャカシャカ」と音が鳴るのです。

選手達はこの音でボールの位置を判断しプレーをします。

コーラー(ガイド)の役割

ブラインドサッカーでは、選手は聴覚のみでフィールド内の情報を得ています。
ゆえに、、情報を与える役割のコーラー(ガイド)、監督、キーパー、この3人の役割はとても重要です。

ブラインドサッカーはコートを3分割に区切って、それぞれのエリアに指示を出す人間を配置します。

自陣ゴールから3分の1のエリアはキーパーが指示を出し、中央3分の1のエリアは監督が指示を出します。

そして、もっとも重要な敵陣ゴールまでの3分の1のエリアはコーラーが担当します。
コーラーが重要な理由は敵のゴールに一番近いゴール裏から支持を出すからです。
当然、シュート指示も出さなければなりません。

シュートが打てる位置にきた際、ゴールからの距離と角度を指示しなければなりません。
選手はその情報を頼りにして次のプレーを選択します。
ゆえにコーラーの役割は重要です。

アイマスクを装着する

選手の中にはかすかではありますが、視力のある弱視の人もいます。
公平な状況で試合をおこなうため、アイマスクを着用することで視覚を完全に閉ざします。

ゴールキーパーの役割

5人のフィールド選手の中で、唯一視力のある選手です。
ゴールを死守するのはもちろん、他の選手達に情報を提供する重要な役目を担います。
自陣ゴールから3分の1のエリアでは、ゴールキーパーが他の選手の目となって指示を出すのです。

試合中の掛け声

相手のボールを取りにいく際、「ボイ!」という声をボール保持者に対して掛けるルールがあります。

これはスペイン語で「行く」という意味です。

声をかける理由はボール保持者に対して存在を知らせるためです。
そのようにすれば、危険な衝突を回避できます。

ブラインドサッカーの魅力

まるで見えているかのごときプレーの質

筆者の知人に「ブラインドサッカー」を観戦した人がいて、「本当に見えてないの?とてもそのようには思えないスピード感だった。」
そのように話していたのを思い出しました。

確かに、トップ選手たちのスムーズな動きは目を見張るものがあります。
選手たちはスムーズなプレーの要因を次のように話しています。
「 実は、音はあくまで情報の一つに過ぎないんです。」

選手は単に音を追うのではなく、音や声を聞き、頭の中でフィールドの様子をイメージしながらプレーをしているのです。

もしかすると、選手の頭の中には立体的にフィールドの様子が浮かんでいるのかもしれません。

そして、そのイマジネーションから生まれる絶妙な連携プレーは芸術といっても過言ではありません。

サッカー界のスーパースター イニエスタも称賛

東京パラリンピック開催前の2019年、開催の機運を高める一環でアンドレス・イニエスタ(スペイン)がブラインドサッカーを体験する企画がありました。

FⅭバルセロナにも在籍していたスペインのスター選手で、現在はJリーグのヴィッセル神戸に所属しています。

イニエスタがブラインドサッカーを体験した際、日本代表のエース川村怜(アクサ生命保険)と共演し、その奥深さと魅力を称賛していました。

観戦時のマナー

健常者のサッカーとは違い、声援は厳禁です。

試合の際、選手はボールの音やガイドの指示が頼りなのです。
周囲の音声に耳を傾ける選手の妨げにならないように観客には声を出さないマナーが求められます。

しかし、得点が決まった瞬間は大歓声で選手を称えることもマナーの1つです。
このメリハリのある観戦スタイルもブラインドサッカーの魅力です。

見えない世界での「超人的パフォーマンス」

この項は自分自身の体験も踏まえて思ったことです。
「見えない」という事は想像以上に恐ろしいことです。

個人的なことですが、車いすの筆者は夜道を帰らなければならないことがまれにあります。

日常的に通っている道も昼と夜ではまったく違ってきます。
特に、横断歩道を渡る時の最後の縁石には気をつけています。

外が明るい昼間は簡単に乗り上げられますが、夜ではそのようにはいきません。

暗くて見えないと、「どれくらいの角度だったか?」
普段は気にしないことも気にしなければなりません。
油断していると、バランスを崩し転倒するからです。

「この例えが正しいか?」は分かりませんが、常に見えない環境でブラインドサッカーの選手はプレーしているわけです。

しかも、単にプレーをしているだけではありません。
プレーの質はとても高く超人的です。
これが「どれほど素晴らしいことか?」
観戦する機会があれば、是非とも足を運んでいただきたい。

ブラインドサッカーまとめ

筆者は「スポまと」さんから多くの障害者スポーツ記事執筆の依頼を頂きました。

執筆していて毎回思う事があります。
「ハンディキャップがあるのにここまでやれるの!」
今回のブラインドサッカーも然り。

人間の可能性を再認識させていただいて誠に感謝です。

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