冨安健洋のサッカー史。ケガの功名で始まったサッカーへの道
冨安選手がサッカーを始めた理由は、ケガでした。
ケガがなければ、もしかしたら水泳で活躍してたかもしれません。
姉の影響で水泳を始める予定だった
冨安選手には2人の姉が居て、水泳をしていたそうです。
その影響で、冨安選手も水泳を始めようかなーと考えていた時。
祖母の家にあるランニングマシンで遊んでいる時に転倒。アゴにケガを負ったので、水泳から遠ざかりました。
冨安選手はあちこちで走っていて、家のマンションでもビックリするような速さで走り回ってたそうです。
そこにサッカークラブの監督がたまたま居合わせて、見つけてしまいました。
このケガのタイミングと監督に見つかったタイミングが重なり、サッカークラブに勧誘されたのが最初のキッカケでした。
参考:サッカー日本代表の“新星”DF冨安健洋、成長の背景にあるものとは
バルセロナスクール福岡校での経験
2009年にスクールが開校した時、所属していたサッカークラブのコーチに「行ってみたら」と勧められて、参加しました。
そういった所には高い技術を持った人が集まっていて、とても良い刺激になったと思います。
ジュニアの頃は、足の速さを活かしたドリブラーになろうと考えていたそうです。
ですが、バルセロナスクールではサイドバックで世界と戦えると見込まれて、サイドバックでプレーしてました。
このポジションのアドバイスがキッカケで、冨安はサッカー日本代表の新星DFとして活躍する事になったのでしょう。
参考:18歳のJリーガー冨安健洋を支えるバルサスクールでの経験
小学校6年生の時、ナショナルトレセンに選ばれました。
ナショナルトレセンというのは、上手い子を集めて指導する講習会のようなものです。
その中でもナショナルは、最上位。
市町村トレセン<地区<都道府県<地域<ナショナルと5段階あって、都道府県トレセンに選ばれるのもなかなかの事です。
中学、高校で活躍。このころからサッカーは仕事に
冨安選手は中学生の時にアビスパ福岡の下部組織に入団しました。
アビスパ福岡は、福岡あたりで最も強いプロクラブです。
ジュニアユース時代には中学1年~3年までキャプテンを務めてました。
中学3年生の時にはアビスパ福岡のトップチームの練習に参加するように。
高校2年生の時には2種登録されて、天皇杯でデビューを果たしました。
純粋にサッカーを楽しんでたのは中学生くらいまでで、高校の頃からは仕事という感覚になりました。
プロの練習に参加していた事が、冨安選手の意識を変えたようです。
参考:KING GEAR
高校3年生の時、卒業を待たずしてアビスパ福岡のトップチームに昇格しました。
いわゆるプロ入りです。
デビュー戦ではボランチという、ミッドフィルダーの守備的な位置で入りました。
その後はディフェンスのレギュラーメンバーとして定着しました。
海外を目指していた冨安はベルギーへ
2018年1月8日、冨安選手がシント=トロイデンVVへ移籍する事が発表されました。
この時、他のJ1クラブが獲得しようと動いていたらしいですが、冨安選手は海外に行きたかったので、まずはベルギーのシントトロイデンに移籍する事になりました。
着実に実績を残し、2018-2019シーズン中にドイツのクラブが600万ユーロで移籍を持ちかけました。
このようにシントトロイデン側が拒否しました。
18-19シーズンではトロイデンのサポーターが選ぶ「シーズン最優秀選手」に選ばれました。
イタリアの強豪クラブ、ボローニャへ移籍
2019年7月9日、イタリアのボローニャFCへの完全移籍が発表されました。
ボローニャFCはイタリアの1部リーグ、セリエAに所属しているクラブです。
イタリアの中でも強豪と言われるクラブのうちの1つで、これまでに7度セリエAで優勝しています。
ちなみにイタリアの3強はミラン・インテル・ユヴェントスです。
冨安選手はデビュー戦からやらかします。
現地メディアを驚かせるほどのプレーを見せ、多くの人を湧かせました。
参考:イタリア人記者が冨安健洋を絶賛。ガゼッタ紙は新星ベスト5に選出
8月の月間MVPに選ばれ、12月には初アシストを記録。
翌2020年7月には利き足ではない左で初ゴールを入れました。
イタリアのスポーツ紙、コリエレ・デロ・スポルトは
冨安は黄金の選手。シニシャ・ミハイロヴィチ監督にとってなくてはならない選手
このように評価しました。
シーズンが終わった後、イタリア3大クラブの1つであるACミランからオファーがありました。
2500万ユーロ(当時、約31億円)で獲得を予定してたそうですが
とボローニャが拒否し、残留が決まりました。
参考:ミラン、ボローニャDF冨安健洋に30億円オファーか…プランBとして白羽の矢
イングランドへ移籍。ケガが目立つが契約延長
2021年8月31日にアーセナルFCへ移籍する事が発表されました。
この時の移籍金は約25.5億円と言われてます。
参考:アーセナル冨安、プレミア“バーゲン価格”11人に英選出 「移籍金以上の価値がある」
アーセナルFCは、イングランドのクラブです。
イングランドの中でもビッグ6と言われる、強豪クラブの1つ。
規模や実績でいえば、遠藤航選手が所属しているリヴァプールFCより上です。
関連記事:[遠藤航]サッカー日本代表の守備の要でキャプテンの素顔とプロフィールを公開
アーセナル加入後、すぐにチームの月間最優秀選手に選出されました。
2021年12月には新型コロナ検査で陽性。
翌1月には右ふくらはぎの張りで欠場しました。
その後、万全でないにもかかわらず出場した事で右ふくらはぎを負傷。
2月には左ふくらはぎを負傷してしまいます。
4月にようやっと復帰し、3ヶ月ぶりの実戦となりました。
更に翌年の2023年3月、UEFAヨーロッパリーグのスポルティングCP戦で先発出場した時に足を滑らせて、右ひざを負傷してしまいます。
手術が必要なケガでしたが、無事に治りました。
ですが、2022-2023シーズン中の復帰はできないと発表されました。
参考:BBC SPORTS
ケガによる欠場が多かったシーズンですが、復帰後はしっかりと仕事をして2023年10月の月間最優秀選手に選ばれてます。
2024年3月20日、アーセナルFCは冨安選手との契約を延長する事を発表しました。
参考:Takehiro Tomiyasu signs new long-term contract.
冨安健洋選手の凄い所。守りが堅く、攻撃が鋭い両刀使い
冨安選手の凄い所は、足の速さを活かした攻撃と守備。
そして両足が使える事と、プレーの構想が上手いことです。
足の速さを活かした攻撃と守備
冨安選手はメチャクチャ足が速いので、サイドバックからの攻撃参加が非常に怖いです。
もちろん足が速いということは、守備への切り替えも速いので、最終ラインを上げる事ができます。
最終ラインというのは、これ以上後ろに相手選手が居たらオフサイドになるラインです。
ですので、ラインを上げるとコンパクトなサッカーができます。
- パスできる選手が増える
- 数的有利を保てるので、攻撃の機会が増える
- カウンターを受けやすいデメリットがある
冨安選手の存在が、デメリットを最小限に抑えられるのです。
もし突然のカウンターなどが飛んできても、足が速い冨安選手が居れば、攻撃を止めたり遅らせる事ができます。
正確なパスが打てる両足
冨安選手の効き足は右ですが、左足でも正確に蹴る事ができます。
この両利きは、攻撃する時にかなり有利です。
重心の位置や体の向きによって、蹴りやすい足が変わります。
ですので片方でしか蹴れない人は、とても対策されやすいです。
冨安選手は右・左どちらでも正確なパスを。しかも長いパスでも正確に蹴れるスキルがあります。
これは非常に怖く、カウンターの起点になりかねません。
冨安選手の存在は、相手チームに対して強力なプレッシャーになります。
攻撃の組み立て方が上手い
現代サッカーは、ディフェンダー陣も攻撃の組み立てを考えながらプレーするのは当たり前と言われてます。
そんな中でも冨安選手の構築は、特に上手いです。
説明するのは難しいので、動画をご覧ください。
とにかく周りを良く見てパスコースを作ったり、相手を引きつけたり、数手先を読んだり。
このスキルは守備でも活かされていて、上手く相手のパスコースを切ってます。
まとめ 冨安健洋選手の可能性はまだまだこれから
冨安選手はディフェンダーとしても優秀なのに、攻撃にも加われるドリブラーでもあります。
間違いなく世界で戦える選手でしょう。
ですが、ケガの多さが少し気になります。
まだ伸びしろがありそうですし、2024年で26歳という年齢からしても、これからです。
今後の活躍が楽しみですね。
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